Destruction Wars
DESTRUCTION:0〜FROZEN SPRING〜 |
あれから季節は新緑の季節を迎えた。 そして、紀の周りには偶然か、必然か同じ目的をもった者が集まっていた。 今や希少種となった有翼人種の新(さら)。 その経緯を全部知っている訳ではないが、目的は皆同じ。 目的を達成するためなら、きっと何だってする。 それだけ、憎み、憎悪する。 理不尽に奪われた幸福。 それを、何が何でも取り返す。そのためならば、どんな犠牲を払ってもかまわない。 その決意が彼らを動かした。 取り戻せる幸せのために。もう戻らない大切なモノのために。失った自分を取り戻すために。信念を貫くために。 それは両手をすり抜ける砂のようで。 空中を舞う色とりどりの蝶のようで。 舞い降りる雪のように、儚く、尊いもの。 誰にも触れさせたくない部分を抱えながら。目的が果たせるのならば。 きっと何にも、負けはしない。あきらめはしない。 憎む相手は、唯一つ。 幸せを。元に戻したいから。 みたコトの無いものを、みよう。 綺麗も、醜いも、全部見て。 生きるってそういうことだろう? 沢山の憎しみにほんの一条の小さな希望。 絶やさないように………。 ………。 その決意は、どんな宝石よりも美しく、何より歪んで醜い、人の、業……――― 瞳は未来を見る。強い瞳で。決意を隠して。進む先を。 薄いすじ雲を引いた、青空に。風が鳴らす木々の音に、まぎれないように。はっきりと明朗に声は紡がれる。 「さぁ。行こうか」 ・・・・・・・・・・・・・・・………………こうして歯車は回り始めた。ゆっくりと。けれど、確実に………。 |
To Be Continued…… |
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