Destruction Wars
DESTRUCTION:0〜FROZEN SPRING〜





+V+






あれから季節は新緑の季節を迎えた。
凍えるような春は桜の咲く時期を遅くしたけれど。世界が暑くなる時期は変わらなかった。




そして、紀の周りには偶然か、必然か同じ目的をもった者が集まっていた。



今や希少種となった有翼人種の新(さら)。


女の子のような格好をしていて気が強い綺羅。


元医者だというオネスティとその妹のエレメント。


その二人の知人でヘヴィースモーカーのキル。


何かと世話を焼きたがるおばさん体質のエイラ。


無口で無愛想なエイラの血縁だというトゥルーザー。


実家が教会でこれまた無口な琴夜とお供の有機アンドロイドのフェアリィ。




その経緯を全部知っている訳ではないが、目的は皆同じ。

目的を達成するためなら、きっと何だってする。
それだけ、憎み、憎悪する。
理不尽に奪われた幸福。
それを、何が何でも取り返す。そのためならば、どんな犠牲を払ってもかまわない。
その決意が彼らを動かした。



取り戻せる幸せのために。もう戻らない大切なモノのために。失った自分を取り戻すために。信念を貫くために。




それは両手をすり抜ける砂のようで。
空中を舞う色とりどりの蝶のようで。
舞い降りる雪のように、儚く、尊いもの。
誰にも触れさせたくない部分を抱えながら。目的が果たせるのならば。
きっと何にも、負けはしない。あきらめはしない。

憎む相手は、唯一つ。
幸せを。元に戻したいから。


みたコトの無いものを、みよう。
綺麗も、醜いも、全部見て。
生きるってそういうことだろう?
沢山の憎しみにほんの一条の小さな希望。 絶やさないように………。
………。

その決意は、どんな宝石よりも美しく、何より歪んで醜い、人の、業……―――



瞳は未来を見る。強い瞳で。決意を隠して。進む先を。
薄いすじ雲を引いた、青空に。風が鳴らす木々の音に、まぎれないように。はっきりと明朗に声は紡がれる。





「さぁ。行こうか」




・・・・・・・・・・・・・・・………………こうして歯車は回り始めた。ゆっくりと。けれど、確実に………。





To Be Continued……




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